菜香亭料理再現 「霜月の頃の御献立 ~昭和10年披露宴献立より~」

                   
Widget Area

歴食の紹介
料亭菜香亭は明治10年に創業し、平成8年の休業まで、山口の迎賓館として、120年にわたって地元出身の総理大臣をはじめ様々な貴紳をもてなしました。
今回は昭和10年11月21日披露宴献立をもとに、料理を再現しました。菜香亭で使用していた器・お膳に盛り付けてあります。
料理再現  樋口 稔(山口調理製菓専門学校 日本料理教授) 協力  防長苑

歴食の特徴
披露宴という“ハレ”の席ですのでお品書きには「さしみ」=「佐士美」、「焼き物」=「屋貴物」など当て字が使用されています。また戦前の披露宴には芸者さんたちが余興で長唄を披露していたことがわかります。
「歴食」としては比較的近い時代の料理となりますが、今でも同様に出される料理と、今日ではあまり一般的でない調理も見られます。具体的にどのような料理だったかを推測して再現を試みており、地元の食材を用いて、往時の料理・宴を想像しながら味わえる愉しみがあります。

再現時の苦労した点や、完成時の感想
当時の献立の中で不明なものや、入手できなかった食材もあるなど、苦労しながら再現料理献立としてまとめていただきました。実際に食べてみて、伝統的な和食で今に通じる料理を主体としながら、新鮮な調理・味付けを味わうことができ、再現する過程での聞き取り調査等を通じて多く学ぶ機会となりました。

取り組んでいる団体の紹介
特定非営利活動法人歴史の町山口を甦らせる会は、指定管理者として山口市菜香亭の運営業務を行っています。市民・民間・行政との緊密な連携のもと、山口の歴史・文化的財産をまちづくりに生かし、「財」の保全・継承・啓発ならびに振興・活用することによってまちの活性化を図り、新たな文化伝統の創造や新産業の育成支援など、未来につながる個性豊かで魅力あふれるまちづくりを行っていくことを目的とし、活動を行っています。