毛利元就をもてなした祝膳 益田「中世の食」

                   
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歴食の紹介
永禄11年(1568年)、益田(島根県益田市)の領主益田藤兼・元祥父子は、毛利元就の本拠吉田郡山城(広島県安芸高田市)を雄東レ、膨大な贈り物をすると同時に、豪華な料理を振る舞いました。益田藤兼はこの贈り物と料理によって、その実力を毛利元就に鮮明に印象づけました。「益田家文書」には、毛利元就に振る舞った料理の献立と材料についての記録が残っています。料理には海・山・川の珍味が並び、地域の特産品も見えるなど、その豪華に毛利元就も目をみはったと思われます。そして、注目されるのが「かとのこ(数の子)」と「虎皮」です。これらは益田氏が積極的に日本海交易を行なっていたことを推測させます。

歴食の特徴
歴史をもとに再現した酒と調味料がある。益田市には400年続く酒蔵があり、400年前の酒を再現し、其の酒を基に「煎り酒」という当時の調味料を再現している。その酒と調味料を料理にも活かしている。

再現時の苦労した点や、完成時の感想
実はあまり苦労はなく、酒ができ、調味料もでき、ワクワク盛り上がりながら再現作業を完成させることができた。料理をふるまった益田氏の加護のおかげだと思っている。あえてあげるなら、干しナマコを水で戻す作業が大変でした。

取り組んでいる団体の紹介
中世益田の古文書「益田家文書」の中にある「祝い膳」の記述を元に、料理の再現や商品化、食のイベントの開催などを行っている、益田市内の食品製造業者や「食」の活動に携わる有志により2008年に結成した有志グループ。
益田市内の寺院など、歴史ある空間を活用し、益田ならではの味わえない文化的な「おもてなし」、文化事業やインバウンドを含む観光ツアーとのタイアップなどをプロデュースする。積極的な取組みが評価され、2015年度島根県文化奨励賞を受賞。
こうした取り組みも評価され、令和2年6月、中世の時代のストーリー「中世日本の傑作 益田を味わうー地方の時代に輝き再びーが日本遺産に登録された。