和洋会席かなぶ(中山道赤坂宿まちづくり連絡協議会)
【新撰組御膳】
愛知県の古本店(古文書)でみつかった「赤坂宿本陣宿帳」をじっくり読み返しますと、新撰組の隊士らの休泊の記載が6回ほどありました。
さらにじっくり読み返すと、新撰組の隊士 嶋田 魁の利用が最も多く、献立も記されておりました。
嶋田 魁は 岐阜市の出身で、名古屋城内で行われた剣術の大会で優勝し、大垣藩の 嶋田 才 の養子に迎えられました。更に剣術に磨きをかけるため、江戸の道場に通い、そこで永倉 新八(のちに新撰組の隊士)と出合い、永倉が新撰組に入隊したのを知り、嶋田も入隊したのです。
和宮さまが、徳川家に降嫁され、徳川 家茂が 天皇にそのお礼のために上洛する警護のために募集したのが、新撰組です。
しかしこれは建て前で、真意は徳川家茂が直々に京へ出向き、尊王攘夷派を威圧するためでもあったようです。和宮さまと新撰組との繋がりが見えてまいります。
献立ですが、
大平
切り込み
との記載があるだけで、材料名や調理方法についての記載はありませんでした。
そこで、再度、赤坂宿本陣宿帳を細部にわたるまで読み直しましたところ、別献立に、
切り込み 玉子
蓮根
竹の子
という記載がありました。
大平には 豆腐、玉子の記載が多く見られ、海老、しめじの記載もありましたので、豆腐、玉子、海老、しめじ、季節の青菜を取り入れました。
調理方法は、江戸時代の料理本を参考にしてあります。
江戸時代の料理本 全10巻を読んでみますと、料理には砂糖の記載は、ほとんどありません。みりんもごくごくまれに出てくるのみ。
そこで、酒、醤油、だし(昆布)、酢を主な調味料として味付けをいたしました。
懐石に「しるこ」が登場しますが、これも汁(吸い物)の扱いで糖類の使用はありません。
砂糖は、菓子の部で、わずかに登場するのみです。
赤坂宿本陣宿帳には、てんぷらの記載はありませんでしたが、どじょうをおいしく召し上がっていただけたら・・との思いでお客様にご提供する時には、どじょう、げんのしょうこ(西美濃の食文化)をてんぷらに入れております。
げんのしょうこの効能は、便秘、下痢の両方に良いということです。とてもよく効くので「現の証拠」=「げんのしょうこ」となったと聞いております。
てんぷらも江戸時代からあり、屋台文化の1つです。
火災予防の観点から、屋内でのてんぷら調理は禁止されておりました。
ちなみに、牛肉は宗教上(仏教)敬遠されたようですが、キリシタンでは好んで食べていたようです。